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トーガー(フキガー)宮古島市平良字大浦(洲本原)
 西原集落を後にして県道189号線を狩俣の方向に進む。大浦湾東側の県道三叉路から大浦集落方へ約200メートル行き、右折して畑中の小道に入る。前方に見える小高い峰がフギンミ(フギ峰)で、そのフギンミの裾野と畑地と接する地点にトーガー(唐井)はある。

古老たちの伝えるところによると、この井戸はフギンミの裾にあるのでフギガーと呼んでいたようだが、この付近に漂着したと伝わる中国人(唐の人)との関わりで、後にトーガーと呼ぶようになったという。

 昔、中国の人が大浦に漂着してウプラタスと名乗り、マジルという女を妻にして(雍正旧記』では妻の名はタマンフロフニヤツと記されている)大浦に住んでいたが、あるとき、今のトーガーのある付近から鳥がぬれて飛び立つのを見て、水があることを知ったといわれ、唐人が発見して使用したことからトーガーと称しているとのことである。トーガーはもとは自然の洞井であったが、雨降りのとき汚水が流れてくるのを防ぐため、大正の頃に石大工を頼んで内璧に石を積みめぐらして井戸の形に整えた。

縁をコンクリートにしたのは戦後のことである。
大浦集落では毎年11月にカーヨーイ(井戸の祝い)が行なわれ、またカーニガイ(井戸の祭祀)が一年おきに行なわれる。12人のサスンマ(神女)とマスニンジュウと呼ばれる男たちが、4か所の井戸を巡回して水の祈願をするが、この祭祀はトーガーに始まりトーガーで終わる。これはトーガーが、大浦集落のムラ立ての歴史と深くかかわり、人々の暮らしを支えた水源であることを物語るものであろう。