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2020年サシバ飛来数調査まとめ

沖縄県自然保護課と宮古野鳥の会は、48回目のサシバの飛来数調査を例年通り、寒露の10月8日から21日までの2週間、伊良部庁舎屋上で実施した。
 今年は二日目の9日より1.000羽を超えるサシバが飛来し幸先の良さを感じさせたが、10日と11日は台風14号の影響で500羽前後に減少した。12〜15日は飛来数が増加し、13日の2.530羽が今年の最多飛来数となった。その後は徐々に減少し、最終日の51羽で調査を終えた。期間中は台風の影響は小さく、北東よりの風が多く吹きサシバにとって渡り易かったと思われる。今年度の総数は11,713羽で、2001年〜2020年の平均飛来数14,933羽より少なくなっている。

さて、この飛来数調査の目的は場所と期間を定めて飛来数を調べ、経年変化を早期にかつ定量的に捕えようというものです。実はサシバ保護パトロール出発式が行われた調査開始前日の10月7日には、2時〜4時に4,000羽、5時〜6時に1,000羽の合計約5.000羽のサシバの飛来が有りました。厳密な定点調査では11,713羽で、ここ20年平均飛来数より少なくなっていますが、今シーズンの総飛来数と少し解釈を広げれば16.713羽で例年より多いという結果になります。

 今年も統合された伊良部島小・中学校(結の橋学園)が調査に参加してくれました。また伊良部高校と宮古高校も調査に加わってくれました。何よりも地元の生徒・学生がサシバを理解し、保護活動に参加してくれることが大切です。これからも継続して参加してくれることを、切に願います。
最後になりましたが、今年も密猟防止パトロールを実施された宮古島警察署と、調査場所を提供してくださった宮古島市に感謝いたします。

特記事項:今年予定されていた「第2回・国際サシバサミット」は来年の10月中旬に延期されました。国際的にもサシバの保護運動が盛り上がっています。皆様のこれまで以上のご協力、宜しくお願い致します。

沖縄県自然保護課
宮古野鳥の会
協力:宮古島警察署
宮古島市
伊良部高等学校
宮古高等学校
伊良部島小・中学校(結の橋学園)

2018年サシバ飛来数調査まとめ

沖縄県自然保護課と宮古野鳥の会は、寒露の10月8日から21日までの2週間、伊良部庁舎屋上で例年通りサシバの飛来数調査を実施した。

 ここ4年間は10,000羽前後だったが、今年のサシバの飛来数は20,244羽だった。これは2010年代では2013年の31,833羽に次ぐ多い飛来数である。

今年は初日の10月8日〜12日までは、飛来数は51〜821羽と飛来数は少なかった。これは台風25号が10月3日〜6日に慶良間海峡(海裂)を横断の後、東シナ海を北上し、朝鮮半島南部に上陸しためサシバが奄美諸島・沖縄諸島に南下できなかったからと考えられる。その後も強い勢力の秋雨前線が九州の南の海上にあった。

秋雨前線が北上すると、サシバの飛来数は多くなった。10月13〜16日の四日間で15,954羽が飛来した。特に13日は最多の6,975羽の飛来があった。

17日、18日の両日は1,000羽を超えたが、19日は277羽と少なくなり、20日、21日は二桁の飛来だった。19日でサシバの渡りは、ほぼ終わったようだ。

また調査期間中、北寄りの風が比較的強く吹きサシバの渡りの追い風となり、飛来する時間が早かった。飛来数を時間帯別にみると14時〜15時が5,288羽と最も多く、17時までにほぼ飛来は終了した。

 今年も伊良部中学校と伊良部高等学校が調査に参加してくれました。宮古高校も新しく加わってくれました。若い中高生の参加はとてもありがたく、心強く感じます。この活動を継続し、将来の宮古島の環境保護のリーダーになってくれることを期待します。

最後になりましたが、今年も密猟防止パトロールを実施された宮古島警察署と、調査場所を提供してくださった宮古島市に感謝いたします。

2017年サシバ飛来数調査まとめ

沖縄県自然保護課と宮古野鳥の会は、寒露の10月8日から21日までの2週間、伊良部庁舎屋上で例年通りサシバの飛来数調査を実施した。

今年のサシバの飛来数は8,593羽でした。去年が11,936羽で、今年も10,000羽超えを期待したが、残念ながら10,000羽を下回った。

これまで同様、増減を繰り返しながら長期的には減少する傾向は続くものと予想される。

伊良部島では初日の10月8日から408羽のサシバの飛来が初観察され、13日までは順調だったが、14日以降は振るわなかった。

飛来数が多かったのは10月11〜13日の三日間で、約68%にあたる5,835羽の飛来があった。

特に多かったのは11日の3,097羽である 今年の結果を分析すると、以下のようになる。

@ 調査期間前半の10月8〜13日までは、北寄りの風が吹き、晴天続きだったので午後2時までの早い到着があった。

A 14日〜18日は九州と沖縄島の間に停滞前線が居座り、サシバは南下しにくかったと思われる。(天気図参照)

B 10月19〜21日は、超大型の台風21号の襲来で、サシバは南下できなかった。

今年も伊良部中学校と伊良部高等学校が、調査に参加してくれました。若い中高生の参加はとてもありがたく、心強く感じます。この活動を継続し、将来の宮古島の環境保護のリーダーになってくれることを期待します。

最後になりましたが、今年も密猟防止パトロールを実施された宮古島警察署と、調査場所を提供してくださった宮古島市に感謝いたします。

沖縄県自然保護課 宮古野鳥の会 協力:宮古島警察署 宮古島市 伊良部高等学校 伊良部中学校 2017年10月24日

沖縄県自然保護課と宮古野鳥の会は、寒露の10月8日から21日までの2週間、伊良部庁舎屋上でサシバの飛来数調査を実施した。

 今年のサシバの飛来数は11,936羽で、二年ぶりに10,000羽を超えた。去年は過去最少の6,694羽で、一昨年も7,800羽と二年連続して10,000羽を下回り、減少のスピードに拍車がかかったと心配されたが、一息ついた格好だ。しかし、これまで同様、増減を繰り返しながら長期的には減少する傾向は続くものと予想される。(グラフを参照)

伊良部島では10月9日に8羽のサシバの飛来が初観察された。飛来数が多かったのは10月16〜18日の三日間で、約80%にあたる9,437羽飛来した。

今年の結果を分析すると、以下のようになる。
@ 調査期間前半の10月8〜11日までは奄美諸島と沖縄島の間に停滞前線が居座り、7〜11mの南風が吹き、サシバは南下できなかったと思われる。


A 10月12日には停滞前線は無くなり、北東の風に変わったが、15日までは雨も降ったりして大きな群れの飛来はなかった。


B 10月16〜18日は天候もよく、東から北の風が吹き、南下するサシバにとって追い風になり、3,830羽、3,077羽、2,530羽と多数の飛来があった。


C 10月19〜21日は渡りの条件が良すぎて、サシバの南下する群れは宮古諸島を通過して八重山諸島まで南下したかもしれない(宮崎県の金御岳の調査では約25,000羽が確認されている)。八重山での継続的に調査データがあれば、この推測の当否がわかる。

 今年も伊良部中学校と伊良部高等学校が、調査に参加してくれました。若い中高生の参加はとてもありがたく、心強く感じます。この活動を継続し、将来の宮古島の環境保護のリーダーになってくれることを期待します。


最後になりましたが、今年も密猟防止パトロールを実施された宮古島警察署と、調査場所を提供してくださった宮古島市に感謝いたします。

特記事項:宮古島へのサシバの飛来数が2012年703羽と1.000羽を割り、2013年646羽、2014年311羽と数を減らしている。

311羽は、もちろんこれまでで最少の飛来数です。伊良部島の飛来数と比較するとそれぞれ8.2%、2.0%、4.0%であり、宮古諸島への飛来数の合計からすると誤差の範囲といえる数字です。


サシバの減少の原因は夕陽が丘(松原墓地団地上)付近での土地改良です。現状は樹木がほぼ皆伐され、土がむき出しで大型の建設機械が動き回っています。これではサシバは飛んで来ないです。土地改良の必要は十分に理解しますが、樹木を残すなどの工事方法はなかったのでしょうか。


サシバは宮古島では食物連鎖の頂点の消費者で、生態系のピラミッド構造でも頂点(アンブレラ種)です。サシバが多く渡来し、ゆったりと暮らせる状況は、人間にとっても住みよい自然環境と言えるはずです。


宮古島市は「エコアイランド」宣言していますし、サシバは市の鳥でもあります。サシバが渡来する自然環境を守る、あるいは造ることに真剣に取り組んでこそ「エコアイランド」と言えるのではないでしょうか。


また日本でのサシバの渡りの最大の中継地である宮古諸島の住民である我々は、サシバが安心して休息できる環境を整える義務があると考えます。近年、止まり木となるリュウキュウマツなどの大木が、伐採や台風で減少しています。まずはリュウキュウマツや宮古島の在来種で大きくなる木を植えましょう。

沖縄県自然保護課
宮古野鳥の会
協力:宮古島警察署
宮古島市
伊良部高等学校
伊良部中学校

2016年10月24日