宮古方言
方言というものは標準語と違い、日本津々浦々に存在しています。その方言も同じ県であっても地域によって、多少の違いもある。かくゆう、沖縄県も大小70余の島々から成り立っているが歴史的なものからなのか、多少違いがある。
その最たるものでは宮古島諸島と沖縄本島とは、方言がまるっきり違う。沖縄本島で代表的方言では「めんそーれ」があるが、ここ宮古島では「んみゃーち」である。
又、宮古島のなかでも中心地の市中心部と各町村とは若干違いがあるのもおもしろい。
また、池間島や伊良部島はさらに宮古島市平良とは違うのも面白い。
宮古方言のなかから多少、記して見たいがこれはあくまでも”ひらら(平良)的表現”であることを先にお断りする。
しかし、これら方言も段々年齢の若い人は、しゃべることはおろか、聞くこともままならない青年や児童生徒が多く、あと数年すると形骸化していく運命にあるだろうか。
その宮古の中でも特筆する方言が「あららがま」である。この言葉はふるさとを離れ、遠い地域で暮らす方には特に耳に心地よい響きであることだろう。
あららがまの意味は「今にみていろ」と言った自分を励ます意味と、ある反面では「その程度か」となにか正反対的意味を含んでいる。では数ある方言の中から、若干記してみたい。

このような昔ながらの家が消えつつある宮古島。
宮古の昔の民家の造り。赤瓦と石垣などが特徴。
宮古の昔の民家の造り。赤瓦と石垣などが特徴。
人間関係を表したものなど
| 標準語 | =方言 |
| 兄 | あざ |
| 姉 | あんが |
| あいつ | あれ |
| 兄嫁 | あにみぅん |
| 甥・姪 | みゅ−ず |
| いとこ | いつふ |
| 妹 | うとぅんが |
| 男やもめ | びきだつむぬ |
| 女独りたち | みーだつむぬ |
| 一番上の兄 | うぷあざ |
| 一番上の姉 | うぷあんが |
| 一番上の伯父 | うぷうや |
| 一番年下の伯母 | ぶばがま |
| 親子 | んまっふふぁ |
| 男 | びきどぅん |
| 女 | みどぅん |
| 彼等 | かいた |
| 彼等のもの | かいたがむぬ |
| かれの家 | かいたがや |
| 家族 | やーでぃ |
| 家庭 | きない |
| あんた | うば |
| 君のもの | うばたがむぬ |
| 結婚 | ささぎ |
| 系統 | たらき |
| 子供 | やらび |
| 末っ子 | なすきしゃ |
人間の体の症状などについて
| 標準語=方言 | 方言 |
| 体が弱い | びょうざ |
| 風邪 | かじ |
| おし | チーガー |
| おでき | ぬぶた |
| 痛み | やんむ |
| 汗 | あし |
| 足のしびれ | ぴさつふん |
| 胃けいれん | んみばたやんむ |
| いぼ | いずぬみー |
| あさ | ふふつくんむ |
| 看病する | みばかず |
| きぶんが悪い | ぱだぁーにゃーん |
| 薬 | ふすぅ |
| くしゃみ | ぱなぴす |
| 下痢 | やまだつ |
| かゆい | こーこー |
| きちがい | ぷりむぬ |
| おし | ちーがー |
| 下痢 | やまだつ |
人間の体の一部分について
| 標準語=ほうげん | 方言 |
| 顔 | みぱぁな |
| かかと | あどぅ |
| 白髪 | すさぎ |
| 歯 | ぱ |
| びっこ | ないぎゃ |
| もも | むむに |
| わき | ばくすだ |
| でっぱ | ながばー |
| 大きな腹 | うぷばた |
| 頭 |
かなまず |
| 後頭部 | うっす |
| 涙 | なだ |
| 裸 | ぱだか |
| ほお | かまつ |
| リンパ腺 | いんまらだに |
| 背中 | くさんみ |
| 男性器 | まら |
| 身体 | どぅー |
| 裸体 | ぴさが |
| お尻 | ちび |
| 口 | ふつ |
| 長命 | ながんぬつ |
| 腹 | ばた |
| へそ | んーぶ |
| やせている | がびょーう |
| 肛門 | ちびるん |
| 背が低い | いみーちゃ |
| 眼球 | みんたま |
お年寄りは標準語より、多くは未だに方言の方が主流である。しかし、これも年輩のかただけであり、比較的若い世代はマスコミ等からの情報の氾濫で生活に方言が使われなくなりつつあるのが現状で、このまま推移すれば数十年後には、この味わいぶかい方言もこの世から消える運命にあるだろうか?。

